シャーマニズムにおけるドラム脳波とドラムユートピアとドラムジャーニー
ドラムジャーニー体験記催眠療法的アプローチ学会発表

シャーマニズムにおけるドラム

シャーマニズム、そしてシャーマンとドラムの関係性

シャーマニズムはあらゆる宗教の源泉といわれ、世界各地に存在します。
それは神霊の世界に直接アクセスし、神霊の助けと保護を得る精神的な実践の方法で、 シャーマンと呼ばれる人々が、瞑想によりトランス状態=変性意識状態に入り、さまざまな超日常的な生き物や元型的な力に遭遇し、お告げを得たり、病気を治したり、天候を変えたりすると言われています。

※変性意識状態=意識を失っているわけではないが、日常で目覚めている状態とは異なる意識の状態。トランス状態。

伝統的なシャーマンは様々なテクニックを用いて、変性意識状態を自ら作り出し、自分の意識状態を操作したりパターン化していました。例えば・・・
  断食、断眠、過呼吸
  極度の疲労に追い込む
  極度に汗をかき、寒暖の差を儀式の前段階に使う
  決まった儀式、祈り、呪文
  歌、踊り
  単調な太鼓の音を聴く
などです。
ここで注目していただきたいのは、一番下の太字にした「単調なドラムの音を聞く」という部分です。
実はシャーマンとシャーマンドラム(多くの場合枠に1枚皮を張ったもの)は、切っても切れない関係にあるのです。
フレームドラムの起源で、古代では女性神官が儀式や治療に用いていた・・・と言われているとお話しましたが、シャーマンドラムの流れもこのあたりから始まっていると思われます。

脳波とドラム

シャーマンドラムを叩くパターンと脳に与える影響

スタンフォード大のメリンダ・マックスフィールド博士の研究によるとM.M=240〜270の単調なドラムの音を聞き続けると、顕著に脳にシータ波が出るのだそうです。
脳波にはガンマ波、ベータ波、アルファ波、シータ波、デルタ波が知られていますが、アルファ波はリラックスした時、シータ波は寝入りばなや起きがけに優位に見られる脳波です。
そしてこのシータ波が優位な時は、感覚の変化が起こるとマックスフィールド博士は言います。それは
 時間的感覚がなくなる、幻想を起こす
 体の躍動感、体の圧迫感VS伸張感
 飛翔感、踊ったり走ったりする感じ 等
だそうです。

シャーマンの叩くドラムのビートはまさにこのM.M=240程度の速さが多いのです。この速さのビートに導かれて、私たちの 脳は「変性意識状態」へと誘われるのかもしれません。

ユートピアとドラムジャーニー

ドラムジャーニーで無条件の愛を得る

東海大学大学院で「居心地学」を研究されている安原喜秀教授によると、桃源郷やユートピアといった理想郷へは、小さい入り口を経て至るという記述が非常に多いのだそうです。
例えば陶淵明の『桃花源記』によると
「山奥へ谷川に沿って船を漕いで遡ったとき、どこまで行ったか分からないくらい上流で、突如、桃の木だけが生え、桃の花が一面に咲き乱れる林が両岸に広がった。その香ばしさ、美しさ、花びらや花粉の舞い落ちる様に心を魅かれた男は、その源を探ろうとしてさらに桃の花の中を遡り、ついに水源に行き当たった。そこは山になっており、山腹に人が一人通り抜けられるだけの穴があったが、奥から光が見えたので男は穴の中に入っていった。
穴を抜けると、驚いたことに山の反対側は広い平野になっていたのだった。」
と、小さい穴を抜けた向こうに「桃源郷」があるとしています。

同様の「小さい穴の向こう側にユートピア」という描写は、様々な文芸作品にも現れ、皆さまもよくご存じの川端康成の「雪国」でも、
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」というように、こちらではない、何か小さな穴を抜けた「向こう側の世界」が理想の世界だとイメージされているのではないかと、安原教授はおっしゃるのです。

ネイティブアメリカンに伝わる「ドラムジャーニー」というものがあります。
これは前述のようにドラムを単調なビートで打ち鳴らしながら、参加者を誘導瞑想で地中の国に導き、パワーアニマルという聖なる存在と遭遇し、メッセージをもらうというものなのですが、まさにこのドラムジャーニーも小さな地中に続く穴をイメージして、その中に入って行くところから始まるのです。

安原教授の言う「向こう側」の世界は、やすらぎの場所です。
そこでは安心に包まれ、まさに楽園、あたかも子宮回帰したかのような感じです。
子宮回帰と言えばお母さん。お母さんと言えば母の愛=無条件の愛が思い浮かびますね。
しかし残念ながらこの世ではなかなか無条件の愛は求めても得られないものです。
自分に都合のいいようにしてくれたら愛するという「条件付の愛」があふれています。
でも人は無条件で愛情が与えられ、安心出来る場所を求めるものです。
心理学の「交流分析」でも「人は無条件のプラス・ストロークを求める」と言います。
もしかしたら、ドラムジャーニーは日常生活ではなかなか得られない「無条件の愛」を意識的・自発的に求められるものなのかもしれません!

どうしたら私たちは「無条件の愛の世界」へたどり着けるか、そして「無条件の愛」を得られるか・・・・古代の叡智として、人はその方法を知っていたのかもしれません。
それがもしかしたら「ドラムジャーニー」の方法なのかもしれないのです!!!

シャーマニズムと言うと何か怪しい感じを受ける方もいらっしゃるかと思いますが、 まさにこれは古代から伝わる心の癒し・・・メンタルケアの方法と言っていいのではないでしょうか?
現代の催眠療法に引けを取らない、むしろ根源の愛につながる究極のセラピーではないかと思うのです。

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ドラムジャーニー体験記

6段階フェイススケールによる ドラムジャーニー前/後の調査(一般参加者40名)

さてここで一般参加者の皆さん40名に、ドラムジャーニーを体験する前と後の気分の変化を、6段階のフェイススケールを用いて調べさせていただきました。すると・・・
   3段階好転...5名
   2段階好転...14名
   1段階好転...17名
   変化なし...4名
   悪転...0名
という結果が出ました。

さらに自由形式で感想を記入していただきました。ほんの一部ですがご紹介いたします。

すっきりして気持ちが緩んでいます。リラックス状態です。
良い感じで気分転換出来ました。
盛りだくさんのワークでお値打ちだと思います。歌まで聴けてHappyでした。
ありがとうございました。 N.S様 50代



とっても穏やかで疲れがありません。 マスターに会えるか心配でしたが、とてもクリアーに映像が見えたのはドラムの音楽があったからだと思います。M.U様 40代



とてもおだやかです。
心に何もない(=雑念がない)感じ。後頭部の重みが消えています。
ドラムの演奏中は、どんどん音と自分が一体化していく感じがした。少し切ない気持ちもあったが、それがまた心地が良く、涙が出そうになった。 R.M様 30代



とても不安に思っていた気分が消えて、平穏な心持ちになりました。 K.S様 30代



とてもすっきりした気持ち。今夜はよく眠れそうな感じがします。
目の前が明るくなった(部屋が明るく見える)感じ。脳がクリアになった。 C.W様 40代



体の疲れやだるさが消え、さらに体が柔らかく軽くなった。
心もしっかりと”信じる”という感覚ま芯が通ったような、しなやかだけれど力強い感じがしています。 すごく心地が良いです。 T.K様 30代



先生の誘導が素晴らしくて(声のトーン、ドラム、歌声)、 気持ちよく眠ってしまいましたが、魂の深い部分がしっかり聴いていて、クリアに元気になった気がします。
フレームドラムは手と体?だけで演奏出来るシンプルな楽器ですが、奥が深いなぁと思いました。スキになりました。ありがとうございました。 S.I様 40代



身体が軽くなった感じがします。ドラムをたたく楽しさと、集中する=無になる一体感が、たまらなく気持ち良かったです。 体全体が温かくなりました。 K.S様 40代

参加者の皆さんにはドラムジャーニーとはどんなものかという説明も、もちろん桃源郷やユートピアとの関連もお話しないで体験していただいています。
ですからこれらは先入観なしの純粋な感想と捉えて良いでしょう。

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催眠療法的アプローチ

私(協会長谷口)は音楽家のみならず心理療法家としての立場から、このドラムジャーニーの手法は現代の催眠療法と相通じる部分が多くあると思いました。
相違点を言えば、ドラムジャーニーは多くの場合複数の参加者で行います。そして終了後に「トーキングスティック」を回して感想を語り合います。
皆で体験をシェアし合うということが、もしかすると現代社会では欠如していることかもしれません。
それが何となく孤立感や孤独感につながったり、疎外感を味わう元になっているのかもしれません。

私はドラムジャーニーはコミュニティの再生や他者との共感、受容につながるのではと思っています。
参加者で体験をシェアすることで、分かち合いと共感の意識が高まり
   一人じゃないんだ!
    こんなことを感じてもいいんだ!
という意識が芽生え、安心して世の中を生きられるようになるのではないかと思います。
さらに継続してドラムジャーニーに参加することで、内面の気づきが高まり、自己変容が起こりやすくなるのでは・・・とも思っています。
まさにこれは、これからの催眠療法の発展の方向を示す1つの道ではないでしょうか?
温故知新・・・古代の叡智を取り入れることで、より生きやすい環境が作り出せるかもしれません!

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学会発表

シャーマニズムにおける誘導催眠の現代的アプローチについて

これらの結果をまとめまして、日本医療催眠学会にて「シャーマニズムにおける誘導催眠の現代的アプローチについて」と題し、ドラムジャーニーというシャーマニズムにおける誘導催眠の方法と現代催眠療法の共通点/相違点、 さらに今後の発展の方向性等発表させていただきました。

日時=2013年9月21日
場所=日本医療催眠学会第1回大会 川崎産業振興会館
演題=シャーマニズムにおける誘導催眠の現代的アプローチについて
発表者=谷口はるひ


学会発表の模様です。
この発表の後に沢山の方から「ドラムジャーニーの方法を習いたい」というご要望があり、 このたびドラムジャーニー・ファシリテーター養成 基礎コースを開設することになりました。
web講座ですので全国どこからでも、またいつでもご都合の良い時に受講可能です。

詳しくはヒプノ・ミュージックセラピスト認定講座をご覧ください。


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