世界のフレームドラム

フレームドラムの特色

フレームドラムは2〜4インチの深さの円形の枠を持ち、 ドラムの直径は6〜22インチくらいのものです。 円形と書きましたが、中には四角や六角形、角のようなものがついたものもあります。
ドラムのヘッド部分には動物や魚、は虫類の皮が片面にだけ張られています。
スネアドラムのように響線があったり、丸いリングが内側についたもの、 ジングルがついているものもあります。
両面ヘッドで中に荒い穀物などを入れて音が出るようにしたものは、 フレームドラムの原型と言われる「ふるい」を思い起こさせます。

ここでは世界中に広がるフレームドラムの中で、主なるものをご紹介します。

タール
タールとは「髪の毛1本の」という意味だそうです。そこから1枚だけ皮の張られたこの楽器をタールと呼ぶようになったのだと思われます。
親指を入れる穴が空けてあったり、枠に切り込みがあったりして持ち上げて演奏できるようになっています。
直径が6〜20インチくらい。片面太鼓で、アラブ文化圏に共通に見られる伝統楽器です。踊りの伴奏や宗教的な儀式に使われます。
(写真はクーパーマン社のタール)

ダフ
イランで使われるフレームドラムにはダフとダーイェレがあります。どちらも枠の内側にリングが大量についていて、演奏の際に振ってこのリングの音も出すようにします。 ダフは特にリングが何連にもついていて、ジャラジャラという音色を聞いていると非常にトランシーな気分になります。
(写真はイラン製のダフ)

バウラン
主にアイリッシュ系の楽器です。直径16〜22インチくらいのタールに似たドラムですが、フレームの中に十字に交差させた2本の棒がついています。ここを持って演奏するわけですが、多くは両側でたたけるスティックを使って叩きます。しかしアイルランドの一部では手で演奏します。
グレン・ベレズ氏も手と指を使って演奏し、この楽器から極限の魅力を引き出しています。
(写真はパトリック・グラハム氏所有のバウラン)

ドイラ
中央アジア、ウズベキスタンとアゼルバイジャンのフレーム・ドラムで、木製の枠の内側に金属の小さな輪が沢山付いているため、演奏すると一緒に鳴ります。
中央アジア諸国では楽器としてドイラの演奏法が確立されており、アボス・コシモフ氏を始めとしたミラクルテクニックの奏者が沢山います。
(写真はアボス・コシモフ氏と愛用のドイラ)

ガベル
アゼルバイジャンのミディアムサイズのフレームドラムでジングル(リング)付きです。古典音楽やフォークミュージックで使われますが、通常歌手によって演奏されるそうです。
(写真はクーパーマン社製のガベル)

ベンディール
北アフリカ、ベルベル族の伝統的なフレーム・ドラムだそうです。響き線が皮の裏側に付いているためスネアドラムのように独特な響きをかもし出します。モロッコからイラクまでの地域と北アフリカで一般的な楽器です。
(写真はモロッコ製のベンディール)

リク
大きめのジングルが2枚セットで2列並んでいます。エジプト、イラク、レバノン、リビア、パレスチナ、シリア、その他の地域に見られる楽器で、伝統舞踊や歌、宗教音楽の伴奏で使われます。見た目より重いので最初はちょっと演奏するのが難しい楽器です。
(写真はエジプト製のリク)

タンバリン
タンバリンはアッシリア、エジプトのティンブラルという古代の楽器が変化したヨーロッパ起源の楽器です。ジングルがついた片面太鼓です。 イタリアではタンブレロと呼ばれ、三連を奏でる独特の奏法があります。
現在は様々なジャンルで幅広く使われています。学校の音楽の授業でも使いましたね! あれもフレームドラムだったかと思うと、感慨深いです。
(写真はイタリア・シシリー島で使われる珍しい三角ジングルのタンブレロ)

その他
サンバで使われるタンボリンや、パンデーロもフレームドラムの仲間です。
また世界各地にシャーマンドラムとしてフレームドラムは存在しています。有名なところではアメリカインディアンのシャーマンドラムでしょうか。倍音を多く含むその音色は聞く人をトランスの世界へ誘い込みます。
(写真は故小澤敏也氏愛用のパンデイロ)

最近はドラムメーカーのレモ社やクーパーマン社が、プラスティックヘッドのフレームドラムを発売しています。動物や魚の皮だとどうしても湿度の影響を受け、特に日本では悲惨な状況になりがちです。私(協会長谷口)も最初の頃は動物皮のバウラン、ダフを使っていましたが、梅雨時のライブは皮がぶよぶよになってしまい大変でした。今はプラスティックヘッドのものを使用しているので、どこへも安心して持っていけます。

しかし、一方で自然素材のものは、昨日まではあんなにパリパリに張っていた皮が、今日はブヨブヨだ・・・雨が近いんだな・・・などと、本当に天候や自然を感じることが出来ます。だからどちらがいいとは決めかねます。

演奏姿勢ですが、座って膝の上に置き、ヘッドの上に片手を当てて支えるものと、立って下から持つ姿勢が一般的です。他に両ももの間にはさむやり方もあります。

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